ラッピングへのこだわり

風呂敷のアイディアを取り入れたKnot Wrapと、KHADI社のハンドメイドペーパー。ラッピングは、贈り物のためのスペシャルな装いに欠かせない大切な存在です。

 不要な過剰包装を行わないというポリシーを持ったラッシュですが、ギフトの包装は受け取る人の喜びのための重要な演出として考えています。ラッピングは美しくなければいけませんし、包装資材はリサイクル素材を使用し、またリサイクル・リユースできることを念頭においた商品デザインをするよう心がけています。

 ギフト包装を開けたあとに廃棄されてしまうものが最小限になるようにという願いをこめて作られるラッシュのギフトは、中に入っているフレッシュでハンドメイドの商品同様のコンセプトで作られています。使用している包装資材をハンドメイドで作ってくれているインドのre-wrapとKHADIという2つの団体はいずれも地域に根ざした労働者の自立支援をおこなっており、彼らとの長年のパートナーシップが私たちのギフトに対する想いを支えてくれています。ラッシュでは、KAHDI社による手漉きの紙を多くのギフトのラッピングペーパーとして採用しています。ラッシュのために特別にデザインされたペーパーは、綿製品の製造過程で出る繊維くずを利用した非木材の再生紙で作られています。

 ラッシュ自慢のKnot Wrapは、紙やテープを使わない新しいラッピングアイディアです。「紙の箱に紙の緩衝材を入れてリボンをかけた一般的なギフトと比べて、Knot Wrapは22倍も環境に良いんですよ」とバイヤーのマリアは言います。日本の伝統的な風習として知られる風呂敷から生まれたアイディアで、ファブリックの美しいデザインを楽しみながら繰り返し使用でき、しかもラッピング以外にスカーフやヘアバンドなどさまざまな使い方ができるのです。発売以来、Knot Wrapのファンは増え続け、2013年には世界中のラッシュで450万枚近くが販売されました。特にイギリスとアメリカ、日本での人気は高く、クリスマスとイースターの時期には多くのお客様がギフトとして購入してくださっています。

 また、ペットボトルをリサイクルした化学繊維100%の素材で作られているKnot Wrapや、インドのre-wrapにより生産されているエシカルな生産背景をもつオーガニックコットンを使用しで作られ、伝統的で安全な手法により染色が施されているKnot-Wrapなど、使用のアイディアだけではなく素材にもこだわっています。

re-wrapとは

 re-wrapは、2002年に代表のJanjri Trivediによって設立された女性の自立を支援をするための団体です。カッチ地方を襲った2001年の大地震から立ち直ろうとする人々を助けるために、彼女は刺繍の職工たちの高い技術力に着目しました。カッチ地方の女性たちがもつ伝統的な刺繍の技術とモダンなデザインを組み合わせ、リユース&リサイクル可能なコットンバッグやアクセサリー、ラッピング資材などを作ったらいいのでないか。こうして、re-wrapが誕生したのです。

 re-wrapの取り組みは南インドと欧米社会をつなぐ役割を果たしており、「高いスキルを持ちながら経済的に恵まれていなかった女性たちが、re-wrapで仕事をすることで十分な収入を得て、家族を養い子どもを学校に通わせられるようになり、誇りをもって生きる道を歩んでいます」と代表のJanjri Trivediは語ります。

 インド南部のマイソールのファクトリーでは78名の障がいをもつ女性が働いており、地域のなかでも最貧困層で家計を支えるために1人で働く必要がある人を対象に雇用がおこなわれました。必要な技術を習得するための訓練を実施し、自宅で働くことを希望する人には機械の貸与もおこなっています。メンバー全員に年金と家族保険が適用され、昼食の無料提供、家族も一緒に参加できる年1回の社員旅行などが福利厚生として用意されています。

 Knot Wrapは、ごみを減らして環境にやさしいだけではなく、美しい仕上がりが楽しめるラッピングです。使い方が難しそうに見えますか?不器用な人でも大丈夫、ショップスタッフにお気軽にご相談ください。

KHADIのギフトペーパー

 ラッシュでは、いくつかのギフトのラッピングペーパーにKHADIの紙を使用しています。それらの美しいラッピングペーパーは、南インド・タリハル村で繊維くずをリサイクルして作られています。Tシャツなどの製造過程で出る繊維や、一部にはre-wrapで作られるKnot Wrapの残布が紙へと生まれ変わるのです。「Khadi」には、「手織りの布」という意味があります。

 ファクトリーの周りには、マンゴーやココナツ、バナナ、有機栽培の野菜を育てる地域の菜園が広がっています。そこでは、紙の製造過程で出た工場廃水が植物の栽培に利用されているんですよ。廃水自体、工場の中で何度も繰り返し使われてから畑に届けられます。最初は白い紙の洗浄に、次に薄い色の紙、そして次第に暗い色の紙に使ってから、廃水となります。塩素や漂白剤を使っていないので、環境を汚染したり人体に有害な影響を与える心配はありません。

 繊維くずはパルプ状に粉砕して染色され、木枠に流しこんで紙へと作り変えられます。手ですき、圧縮し、ウールのフェルトで水分を取り除いて乾燥。仕上げに亜鉛の板でプレスして表面を平らな状態にして、1枚の紙が出来あがります。このとき、エンボスで模様をつけることもできます(ラッシュのギフトにも、それを活かしたラッピングペーパーが使われています!)。

KHADIの紙工場では、男性、女性、障がいのある人も含めて現在60名のスタッフが働いています。ほとんどの人は近所に住んで徒歩で通勤していますが、バスで通う必要がある人には交通費が支給されます。ユニフォームが用意され、男性も女性も同じ賃金で雇用されているのです。

バナナの茎からとった”バナナ繊維”と古紙を混ぜて作られる紙「バナナペーパー」もラッピングペーパーやギフトのタグなどに採用しています。バナナは、収穫後新しい果実が育つために、古い茎を切らなければなりません。これらの茎は通常廃棄されるものですが、繊維を乾燥させ、バナナペーパーにすることでリサイクルができます。世界中のバナナの木からとれる茎で紙を作れば、紙のための森林伐採をストップできると言われており、バナナペーパーがサステナブルな社会を作る一端を担う素材として導入を決定しました。ラッシュでは社員の名刺の紙としても使われています。

 贈り物は、中身も大切ですが、素晴らしい包装により完成されるものです。だから、ラッシュではラッピングのための資材が地球の環境や生産にたずさわる人々に対してポジティブな影響をもたらすものであり、かつリユース・リサイクルできるものであるべきであると考えています。ラッシュの名が記されたタグは簡単にとりはずすことができますが、私たちが手がけるギフトはそれ自体が本質的な美しさをそなえています。何はともあれ、ラッピングが素敵なことは重要です。手にした人は、友達みんなに見せびらかしたくなりますからね。

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