地域に根付くアロエ

ラッシュのメディアチームはケニアに向かい、アロエを栽培し、⼟地と地 域コミュニティの再⽣を⽬指すマサイ族の⼥性たちに出会いました。

ケニアのライキピアは、そのほとんどが草も⽣えないむき出しの荒れ地で覆われています。 過放牧を何年も続けたせいで⼟地は痩せてしまい、⼟地に頼って暮らしてきた⼈たちに残された道はただ⼀つ。「受け⼊れる」ことだけです。 

マサイ族は昔から、家畜を育て、世話をする遊牧⺠でした。しかし、今では草を⾷べさせに 動物を連れ出すことはほぼ不可能で、⼲上がりやすい⼟地で穀物を栽培するのも困難な状況で す。それでも、あるマサイ族の⼥性グループは、⽣計を⽴てるための新しい⽅法を⾒出してい ます。 

ライキピアのマサイの⽣活では、多くの責任が⼥性たちの肩に重くのしかかっています。⽔ を汲みに⾏き、⾷事を⽤意し、動物の世話をして、⼦どもたちを育てる。これらすべてを、彼⼥たちはお⾦を得ることなしに無償で⾏なっているのです。 

そこで、ライキピアのトワラ地区に住む⼥性たちは思いついたのです。アロエを栽培して男 性たちに売れば、彼らはきっと昔ながらの醸造酒、ムラティナ"ビール"を作るだろうと。アロ エは過酷な環境下にも適応する植物で、マサイ⽂化に根付いています。この在来種の植物はムラティナを作る以外にも、家畜や⼈間の薬としても使えるのです。 

ローズマリー・ネニーニはトワラ・ウィメンズ・グループのコーディネーターであり、この コミュニティに変化をもたらした⽴役者でもあります。とりわけ彼⼥は⼥の⼦が男の⼦と同じように扱われることを願っています。 

「もし⼥性が⼥性たちのグループに属して、少しでもお⾦を稼げて、男性が別の⽅法で収⼊ を得られれば、お⾦のために幼い娘を結婚させることはなくなるでしょう」とローズマリー。 さらに、なぜアロエが男⼥平等を⽀援するために重要なのかを話してくれました。 

「昔のマサイ族は貧しくありませんでしたが、今では貧困の真っただ中にあります。ですか ら、富を得るために⼈々は、家畜(ヤギ、⽺、⽜)と娘を交換するのです」。 

ローズマリーはビーズ細⼯、薬草についての知識、コミュニティのライフスタイルなど、多 ⽅⾯にわたってマサイ⽂化の保護に尽⼒しています。その⼀⽅で、悪しき⽂化と思われる部 分、たとえば早婚や教育の⽋如といった⼥性の⽣き⽅を妨げる壁を撲滅しようと努めています。 

「少なくとも私はいい夫と結婚できて幸運でした」と彼⼥は⾔います。彼⼥の夫は勉強するこ とを認め、そのおかげで前向きな変化を起こすことができたのです。 

変化の種をまく 

彼⼥たちはマサイの男性に「⼟地が欲しい」と持ちかけました。最初は彼⼥たちの考えを相⼿にしませんでしたが、最終的には同意し、40エーカーの⼟地を与えました。そうして彼⼥たちは他のプロジェクトと共に、アロエの栽培もできるようになりました。 

⼥性たちはほどなくして、ジョゼフ・レンチュニオイの訪問を受けました。近所にライキピア・パーマカルチャー・センター(LPC)を設⽴した、マサイ族の男性です。彼はパーマカルチャーに則った栽培法で彼⼥たちのサポートを始めました。⾃然に逆らうのではなく、⾃然に寄り添って⾏う実践的な農業技術は、壊れてしまった⽣態系を取り戻す助けとなります。⼥性たちが出すアイディアに、ジョセフは技術⾯の専⾨知識を授けました。 

「マサイ族は伝統的に化学薬品を使うことをしませんし、パーマカルチャーでも化学薬品は使いません」とマサイ族の⼥性、プリシラは説明します。彼⼥は2014年にパーマカルチャーの知識をトワラの⼥性たちに教えるために雇われました。 

まもなく、ジョセフはラッシュのエシカルバイイングチームの代表者を連れてきて、そこからラッシュとの関係が築かれました。トワラの⼥性たち(と。その付近の3つのコミュニティの⼥性たち)はアロエをラッシュと、⽯けんを作っている地元のマサイ族の⼥性たちに売り始めました。 

「パーマカルチャーは、おそらく⻄洋の影響や教育、宗教的な理由でやめてしまったマサイ族 の伝統農法なのです。パーマカルチャーを⼥性グループに教え始めた当時、彼⼥たちは『あら、これは昔やっていたのに、やめてしまってたわね!また始めなければ』と⾔っていました」。 

この⼥性たちの成功は著しく、今ではマサイ族の男性たちは⾃分たちの妻をグループに雇ってほしいと頼むようになりました。 

マサイの知識とパーマカルチャーとの調和 

プリシラが最初にトワラを訪れたとき、森林破壊の結果、⼟地はまったくのむき出し状態でした。でも今では、⽊々は保護され、⿃たちも戻ってきました。ここでは有機たい肥が作られています、ハチが巣を作り、ハーブが栽培され、排⽔⽤の側溝が作られて、植物の成⻑を続けています。 

この地域では珍しいことに、プリシラはロシアで医者になった叔⺟の勧めで、⼦どもの頃、 学校に⾏かせてもらっていました。教育を受けている⼦どものことから、彼⼥はいつの⽇か⾃分のコミュニティに戻って、前向きな変化を起こすべきだと感じていました。そして、まさに今、それを実⾏しているのです。 

最初の頃は、⼟地の野⽣動物との闘いがありました。はじめはヤマアラシ。畑に忍び込ん で、相当量のアロエが⾷い荒らされました。次は象です。群れが畑を横断し、100本のアロエ が踏み潰されました。そこで彼⼥たちはマサイの知識を使い、⾃然から学ぶことで、解決法を ⾒出しました。ヤマアラシが戻って来ることが内容にメッシュのフェンスを取り付け、象たちが他の道を通るようにハチのすをフェンスに吊り下げたのです。これにはハチミツがとれるおまけがついてきました。 

トワラでの仕事によって、プリシラは弟の学費をまかなうことができ、弟がいない間に両親 の家畜の⾯倒を⾒る⼈を雇うお⾦もできました。 

広がるアイディア 

アロエで収⼊を得るマサイの⼥性グループは、トワラ地区だけではありません。この地には あと3つのグループがLPCの⽀援を受け、ラッシュにアロエを供給しています。⼀番新しいグ ループは、オスグロイ(マサイの⾔葉で『アロエ』を⽰す)。彼⼥たちは、アロエを栽培し始め て1年になります。草に覆われた丘に座り、⼥性たちはアロエの栽培で収⼊を得て、⽣活⽔準 を上げられるようになったと話してくれました。今では、⼦どもたちを学校に通わせることができると⾔います。 

このグループは活動を始めたばかりで、⼤きな⽬標もあれば、克服しなければならない問題 もあります。年に⼀度は象の⾏進で畑を荒らされるし、家畜を外に出して草を⾷べさせる⼈た ちもいます。 

トワラと同じく、オスグロイもこうした問題を解決するために⾃然に知恵を求めるでしょ う。収⼊が増えれば、畑のために使えるお⾦も増えます。彼⼥たちは⾃分たちがやってきたこ とに誇りを持っています。もしかしたら⽊や草が伐採されてしまったかもしれない地に、畑は 作られ守られてきたのです。 

トワラの⼥性グループ、FGM(⼥性器の⼀部を切除する習慣)や幼い娘を⾦銭と引き換えに結 婚させるなど、物議を醸す問題にも取り組んでいます。私たちがライキピアの⼥性グループを 訪ねたとき、32⼈の⼥の⼦たちが、歌をうたってFGMの儀式に抵抗し、儀式を拒否したとい う話をローズマリーから聞きました。FGMは、トワラではもう過去の話です。 

他のコミュニティでも、こうした悪しき伝統を拒否するようになればいいと彼⼥は願いま す。 

ライキピアに⾏ったとき、⼥性や少⼥たちの権利の進歩がこれほどアロエに直結していると は思ってもいませんでした。しかし、ローズマリーのような⼈たちの後押しがなければ、変化 は決して起きなかったでしょう。アロエを栽培するか、しないかの分かれ⽬です。ローズマリ ーはもっと多くのコミュニティがこうした変化を取り⼊れてほしいと考えているし、必ず実現 すると⼼に決めていることがわかりました。

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